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"太陽の国"プトレ王国。 国土の殆どが広大な砂漠でありながら、宗教と技術、魔術によって豊かに発展した国である。 中でも絶対女王ソレイユの統治は崇拝と畏怖のもと長らく国を支えてきた。 だが、太陽の照らす国には影も落ちる。 女王は本人の「転生」による一代統治を実現しているが、 それは「若い女性の生贄」によって成り立っているものだった。 オアシスの村を訪れた冒険者は、プトレ王国の影、そして真実を垣間見ることになる―― |
| キャンペーン開始条件 | |
|---|---|
| 条件 | 名声値200が以上。 ≪オアシスの村トトリ≫で冒険を行う。 |
❖チャプター1
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冒険者はオアシスの村トトリの道端で、悲嘆に暮れる女性と出会う。 「ああ、ウェルドの冒険者さん……どうか、私の話を聞いて頂けませんか……」 ――話によると、王都バクノで暮らしている娘が「転生の生贄」に選ばれ、生贄として「霊廟」へ連れて行かれたのだという。 転生の生贄は女王の意思。抗える筈もなく、娘との別れもできぬまま、女性の元に通達の書状のみが届いたのだと。 「せめて、あの子との思い出……ストレリチアの髪飾りだけでもどこかで見つかれば……」 亡き娘との最後の思い出。娘の名前を彫った花の髪飾り。 その髪飾りだけでも形見として残しておきたかった。そう語り、女性は涙を見せた。 「冒険者さん……もし、その髪飾りを見かけたら……持ち帰って頂けませんか……?」 母の想いが詰まった娘への贈り物。 果たして、この広い国でそんなものが見つかるのだろうか? |
| チャプター進行条件 | |
|---|---|
| 条件 | ≪太陽の都バクノ≫で3回続けて冒険を行う。 |
❖チャプター2
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バクノに逗留し、今後の冒険の為の情報収集をする冒険者。 トトリで出会った女性と依頼のことを思い返す。 髪飾りなど、一度失くしてしまえばそうそう見つかるものではない。 売られたか、棄てられたか、あるいはどこかへ消えていったのか。 考えを巡らせながら通りを歩いていると、軽い衝撃を浴びる。 すれ違いざまに通行人とぶつかったのだ。不注意を詫びようと向き直るが、 (――?) ぶつかった人物はさっと身を翻してどこかへ走り去っていた。 羽織ったマントが尾を引くように靡き、その鮮烈な白色だけが去り際に残る。 「おい、大丈夫かアンタ」 呆気にとられる冒険者に、通りの店主が声を掛けてくる。 「さっきの、"侍者様"だぜ。良かったな、変な因縁付けられなくて」 ――"侍者"という言葉には聞き覚えがあった。 プトレ王国の女王の身辺を固める"不死鳥の侍者"。 自分とぶつかった人物は、どうやらその侍者の一人だったらしい。 「揃いも揃って不気味な仮面付けてよ。愛想のねぇ連中さ。 ――おっと、俺が言ってたってのは内緒にしといてくれよ」 店主はそう言って笑うと、店の中へ消えてゆく。 滞った人の雑踏は再び流れ出し、すぐに元の様子に戻った。 女王の侍者と外国の冒険者が多少ぶつかったところで、大した騒ぎは起きない。 冒険者は気を取り直して歩き出そうと靴を確認する。 足元に、花の髪飾りが落ちていた。 |
| 結果・報酬 | |
|---|---|
| 内容 | 《ストレリチアの髪飾り》を獲得 ★装飾品/重量1/0G |
| チャプター進行条件 | |
|---|---|
| 条件 | 《ストレリチアの花飾り》を所持した状態で ≪オアシスの村トトリ≫で再度冒険を行う。 |
❖チャプター3
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「……間違いありません。娘の、髪飾りです」 冒険者から受け取った髪飾りの名を認めると、女性は胸に抱くように握りしめた。 「これを、どこで……?」 女性の問いに、王都バクノで不死鳥の侍者とぶつかった時に落ちたのだと説明した。 「侍者様が娘の飾りを……そうですか……。やはり侍者様達に連れて行かれたのですね」 ふと、一つ疑問が生まれる。なぜ、娘を連れて行った侍者が今でも髪飾りを持っていたのか。 冒険者は女性に尋ねる。娘は王都で何の仕事をしていたのかと。 「王都で……?娘はごく普通の機織りでしたから…… ……きっと、王都でもそのような仕事をしていたのだと思います」 女性は懐かしむように髪飾りを眺める。その姿に、それ以上問うことはできなかった。 報酬を受け取り、ご馳走になったお茶を飲み干す。 「……ありがとうございました。ウェルドの冒険者様。 ……娘が、女王様のお役に立てているのが分かって良かったです」 女性は深々と頭を下げる。気丈に振る舞ってはいるが、その悲しみは言葉にできない程だろう。 閉じた扉の向こうで、女性の泣く声が聞こえる。 どこか煮え切らない思いを抱えつつ、冒険者は女性の家を後にした。 ――この物語が冒険者の思わぬ方に転ぶのは、もう少し先の話―― |
| 結果・報酬 | |
|---|---|
| 内容 | 自分が所有する《ストレリチアの髪飾り》を失う。 経験値20・1000Gを獲得 実績<栄誉:花の髪飾り>を獲得 |
| チャプター進行条件 | |
|---|---|
| 条件 | ≪不死鳥の霊廟≫にて進行度8以上で冒険を行う |
❖チャプター4
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「これはこれは、ようこそ、星の大陸の冒険者よ」 不死鳥の霊廟。王家の谷の奥深くにある、閉ざされた祠。 冒険者にとっても危険極まりない死地の中、突如、幼さの残る場違いな声が響く。 声の方を見ると、一人の少女が立っていた。 長い弓を杖替わりに突き、金で飾った薄着を纏った、小柄な赤毛の少女である。 「余は太陽の化身にして不死鳥の魂を継ぎし王ソレイユである。 灼熱の試練を潜り抜けよくぞここまで辿り着いた。その勇気、褒めて遣わそう」 少女は女王を名乗る。現人神として国の民に崇拝され畏れられる、女王ソレイユだと。 不思議と、その言葉を疑うことはできない。 でなければ、年端もいかぬ少女がこのような危険な場所に居る筈がない。 滑稽にも聞こえるその大胆な自己紹介にも、奇妙な説得力があった。 「もてなせる物ないが、この墓に納められた宝は好きに持って行くが良い」 そう言って手ごろな階段に腰掛ける。まるで我が家のような寛ぎ方だ。 だが、その尊大な態度は、やはり彼女が"女王"であることを認めさせるようでもあった。 突然の女王の登場に驚きつつも、冒険者はひとまずの礼儀を見せようと武器を仕舞う。 何を言うべきか――と言葉を詰まらせていると、先に女王が口を開く。 「んん……?汝、どこかで……いや、違うな」 ぶつぶつと呟きながら、こちらの顔を覗き込むように近づいてくる。 その無防備な振る舞いに思わず後ずさるが、女王様は気にも留めない。 「あー……汝、都で余の配下とぶつかったりはしなかったか?」 思わぬ問いにぎょっとする。少し前、王都で不死鳥の侍者とぶつかった時の事だ。 まさか、そんなことを聞かれるとは……。その意図は汲めないが、流されるまま肯定した。 「ハッ!やっぱりそうだ!特徴は聞いていた通りであるな」 ソレイユは何かに納得したように頷いた。 いまいち状況が呑み込めない冒険者を他所にその肩を叩き、続ける。 「なに、配下が世話になったな。汝の話は聞いている。 汝がここに来たのも、きっと何かの巡り合わせだろう」 世話という言葉に心当たりは全くないが、なぜか嬉しそうな女王に気おされ、言葉を返せない。 ひとしきり冒険者を叩き終えると、ソレイユは改めて向き直る。 「汝とは話がしたい。招待しよう、我が"庭園"へ」 |
| 結果・報酬 | |
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| 内容 | 実績<邂逅:太陽王>を獲得 実績<接続:太陽の庭園>を獲得 |